介護での技能実習生制度と在留資格を解説!受け入れるための職歴と日本語レベルについても

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日本語講師のなり方

2025年には約37万人、2035年には約79万人の人材不足が懸念される介護分野において、技能実習生や特定技能外国人などの外国人材の受け入れが急速に進んでいます。

今後さらに需要が高まることが予想される外国人技能実習制度「介護」についての概要と受け入れるための職歴と日本語レベルについて解説していきます。

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技能実習制度とは?

技能実習制度ってどんな制度なのでしょうか?

どんな人が受けることができるのでしょうか?

技能実習制度の目的

外国(主に新興国)の方が日本の企業で働くことにより、日本の高い技術を身につけ、やがてその国の発展を担う人材を育てる「人づくり」を目的として創設された、制度です。

日本の進んだ技能・技術・知識を修得させ、それらを移転することにより、技能実習生自国の産業発展に役立てる人材育成を目的としています。

我が国がおこなっている、国際協力・国際貢献の一つとなっています。

技能移転を目的としているため、技能実習生は、3年もしくは5年経ったら、本国へ帰る必要があります。

2020年末の在留外国人の構成比(在留資格別)によると、技能実習生は13.1%で約38万人います。

技能実習生が働ける業種は限られており、農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属、その他と大きく分けて7業種、82職種あります(2021年3月現在)

在留資格の区分と在留期間

技能実習生の区分は入国1年目が技能実習1号、2~3年目が技能実習2号、4~5年目が技能実習3号とされています。

介護を含む一部の職種については技能実習2号または3号を修了した後、2019年に創設された在留資格「特定技能1号(最長在留期間5年間)」へ移行することが可能になりました。

技能実習生の出身国は?

OTIT( 外国人技能実習機構)によると、平成29年末、もっとも多い国は、ベトナム(45.1%)からです。続いて、中国、フィリピンとなっています。

私が「介護の日本語」を教えている生徒さん10名もベトナム人です。皆さん20代で勉強熱心です。

受入人数の多い国は①ベトナム②中国③フィリピン

出典:OTIT 外国人技能実習機構 技能実習制度の現状(法務省データ)

介護分野の外国人受け入れについて

また、EPAや特定技能1号など介護職としての就労が可能な他の在留資格と比較して技能実習が突出して人数が多くなっています。

在留資格ごとの実績

出典:介護分野における特定技能協議会(令和2年度第1回)資料6「介護分野における外国人の受入れについて」(厚生労働省)

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どんな人を受け入れることができる?

もっとも人数が多い「技能実習」について、どんな人を受け入れることができるか見てみましょう。出典:外国人介護職員の受入れと活躍支援に関するガイドブックより

技能実習生の日本語能力

入国時の要件は日本語能力検定N4 程度

※入国一年後には、N3 程度が要件。ただし、日本語学習のための一定要件を満たす場合、N4 でも当分の間は在留可能です。

教えている印象では、同じN4レベルでも会話能力に差があります。日本人の英語でも同じことが言えますね。

日本語能力検定はN1-N5まであります。一番難しいレベルはN1です。現地でも日本でも受験することが可能です。

日本語能力検定は、語彙問題が中心です。

日本語能力試験ではペーパーテストのみしか行われません。

日本語能力試験はあくまでも日本語を理解することができるのかを対象にした試験なので会話が問題にないということは覚えておきましょう。

日本語能力試験N4のレベルはどのぐらい?

日本語能力試験N4

簡単な漢字を読むことができる。

小学校の低学年で習う漢字についてはマスターしている人が多いです。漢字の出題数は約300

日本語を聞いて理解することができる。

日本語能力試験では日常的な会話を中心に問題を出されることが多いです。

日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる人が多いです。

自分の言葉での表現は難しい。

日本語能力試験N4のレベルでは自分の思っていることを日本語で表現するのが難しいことが多いです。

技能実習生の職歴要件

送出国で同種の業務経験あり ※以下のようなケースが該当します。

・外国における高齢者若しくは障害者の介護施設等において、高齢者又は障害者の日常
 生活上の世話、機能訓練又は療養上の世話等に従事した経験を有する者

・外国における看護課程を修了した者又は看護師資格を有する者

・外国政府による介護士認定等を受けた者

出典:技能実習「介護」における固有要件について(P.5)(厚生労働省:社会・援護局)より

 

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まとめ

技能実習生の多くはミャンマー、インドネシア、ベトナムといった東南アジア諸国の「日本で介護の知識・技術を学びたい」「仕送りで家族を支えたい」という高いモチベーションを持ったまじめな若者です。

介護福祉士になって日本で長く働き続けることを希望する実習生もいます。

技能実習生たちに有意義な実習経験を積んでもらうことで国際貢献の側面を満たすと同時に、人手不足の介護現場で彼らに活躍してもらいたいですね。

期待や夢だけでなく、言葉や生活の不安も一緒に抱えて入国してくる実習生をサポートして、安心して日本で生活してもらうことが日本政府や実習機関の義務だと思います。

彼らの不安を解消して、安心して日本での生活をサポートしていくことが日本語講師の役割でもあります。

次の記事では、実習生が日本語の能力を伸ばすためのポイントについて解説します。

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