初めて語学を学んだとき、どんな感想を持ちましたか?
私たち日本人が最初に学習する言語と言えば、「英語」ですね。文法や発音の違いに難しさを感じませんでしたか?
日本語学習者も「日本語」に対して同じように戸惑いを感じているのではないでしょうか。
他の言語を学ぶということは大変ではありますが、少しずつ話せるようになってくるとうれしいですよね。
「日本語」を学ぶ人にとって、難しいと感じる「漢字」について、お話したいと思います。
この記事を読めば、「漢字とは何か?」「漢字を教えるためのちょっとしたコツ」を知ることができます。
漢字とは?
日本語は、当初は文字を持っていませんでした。文字は、言語を記録するために後から誕生したものです。
言語が文字を持つ方法は2通りあります。
1、新たに作りだす。
2、他の言語で既に使われている文字を借りてくる。
日本語の場合は、他の言語で使われている文字を借りてくるという方法によって文字を獲得しました。最初に借りてきた文字が「漢字」でした。
日本語では、漢字を表語文字として使うほかに、漢字をもとにした表音文字(平仮名・片仮名)も作り出しました。(ことば研究館「ことばの疑問」より)
中国(漢民族の国)から伝わった文字なので、「漢字」と呼ばれるようになったと言われています。
漢字のルール
漢字を簡単にするルールがあります。
すべての漢字に当てはまるわけではありませんが、日本人なら、暮らしていく中で身について、無意識に使っているルールです。
改めて整理していきましょう。
1)漢字を読むためのしるし
漢字には、読み方がわかる「音のしるし」があります。
その「しるし」を見つければ、初めて見る漢字でも読み方が推測できます。
例えば、「青」という記号は、「せい」という読み方をします。
青春(せいしゅん)
晴天(せいてん)
清掃(せいそう)
精神(せいしん)
晴、清、精という漢字が読めなくても、「青」が「せい」という読み方であることを知っていれば、読み方の推測ができます。
他の例も紹介します。
- 方(ほう/ぼう)…芳香(ほうこう)、訪問(ほうもん)、放出(ほうしゅつ)
- 士(し)…仕事(しごと)、雑誌(ざっし)、意志(いし)
- 長(ちょう)…出張(しゅっちょう)、社長(しゃちょう)、通帳(つうちょう)
- 付(ふ/ぷ)…政府(せいふ)、腐敗(ふはい)、音符(おんぷ)
2)漢字の意味のしるし
漢字には、「意味のしるし」もあります。
「意味の記号」とは、部首のことを言います。部首で、意味の推測ができます。
部首とは、漢字を構成する要素の中で、共通する一部分が集められたグループのことです。漢字には必ず一つの部首がありますよ。
例えば、「木」の部首には、「木(tree)」の意味があります。林、桜、梅、根、机、などは、どれも「木」に関係する意味を持っています。
部首によって、漢字のおおよその意味がわかります。
「にんべん」は、「体、作、使」…人に関する漢字
「てへん」は、「投、指、技」…手の動作を表わす漢字
「うかんむり」は、屋根を表しているので「家、安、室」に使われています。
漢字の覚え方
非漢字圏の学習者にとって、漢字は絵のように見えるそうです。
少しでも楽しく覚えられたらいいですね。
おススメの方法を2つご紹介したいと思います。
1)漢字をイメージで覚える
漢字の成り立ちをイラストからイメージして覚える方法です。
炎のイラストから「火」という漢字やお母さんのしぐさから「母」という漢字をイメージして覚えます。
2)漢字をパーツや部首で覚える
まず、「雨」というパーツを覚えます。
それから、「雪」や「雷」などを関連付けて覚える方法です。
また、同時に音がつながった漢字もまとめて覚えます。意味に加えて音も表す部分を持つ形成文字は、常用漢字の中でも6割もあります。
「シ→士、仕、志、誌」のように、部品に加え、音も共通する漢字をまとめて覚えます。
まとめ
漢字はやみくもに覚えるだけでは、なかなか覚えられません。
イメージで覚えたり、漢字のおもしろさを知ってもらいながら、日本語学習者と一緒に発見をしていくつもりで、知っている漢字を増やしていきましょう。
次の記事「日本語学習者の表現力UPの方法について」も是非お読みください。
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