技能実習生の日本語能力を上達させる方法Part 2!具体的に語彙や表現の学習について伝授します

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日本語の教え方

前回の記事では、「技能実習生の日本語能力を上達させる4つのポイント」について、お話しました。

この記事では、もう少し具体的な項目についてお話しようと思います。

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技能実習生の日本語能力を上達させる方法 Part 2

前回お話しした日本語能力上達のポイントは以下の通りです。
3、やさしい日本語で会話する

4、文化・習慣・礼儀について教える

以上4点を基本として、講師がどのようなことに気をつけながら教えていくと、学習者にとって効果的になるのでしょうか?

5.語彙を教える時には、文章の中で教える

語学を学ぶ上での基本は、「語彙の習得」です。しかし、会話ができるようになるためには、その語彙が文章や会話の中でどのように使われているかを知る必要があります。
そのため、「単語で覚えるのではなく、文章で覚える」ことがポイントです。
例えば、「りんご」や「食べる」「食べます」だけを覚えても正しい形で言うことはできません。
「りんご を 食べる/食べます」のように、「を」=「格助詞」とセットで動詞を教えることが重要なのです。

「格助詞」とは、簡単に言うと、
主に名詞の後ろにつく助詞のこと」です。

英語では、「(I) eat  an apple.」となります。英語には「を」に該当するものが存在しません。
また、私が教えているベトナム人の生徒さんの母国語「ベトナム語」は「孤立語」で動詞や形容詞の活用がなく、格助詞も存在しない言語です。
格助詞は多くの日本語学習者が混乱する要因だと言えるでしょう。
漢字も同様にひとつひとつの漢字を覚えるのではなく、単語として漢字を教えたり、同じ漢字を使った単語または部首ごとで教えるとよいでしょう。

6.短い表現をたくさん覚える

いわゆる「お決まり表現」のようなものを覚えると、会話力が一段とUPします。
日本人が何気なく使っている「お決まり表現」は、あまり教科書では、紹介されていませんが、短い表現で、言いたいことが伝わります。
例えば、「ハマる、心が折れる、朝飯前」などのような表現です。
英語にも「a piece of cake」=「朝飯前、簡単なこと」のような言い方がありますね。
1レッスンにひとつ紹介するなど、レッスンの一部分に組み入れるとよいでしょう。
以下のテキストなどを使ってもよいですね。

7.早口言葉を練習する

口の体操として、おススメなのが早口言葉です。
ベトナム人とのレッスンでやってみたところ、結構盛り上がりました。
早口言葉の例は以下の通りです。レッスンでは3回繰り返して言ってもらいました。

①バスガス爆発

②新春シャンソンショー

③生麦、生米、生卵

④隣の客はよく柿食う客だ

⑤赤パジャマ 青パジャマ 黄パジャマ

学習者が上手に言えるようにすることが目的ではありません。口を動かしたり、講師自身も躓いたりして、楽しむことが重要であると思います。

8.アイスブレイクの時間を作る

上の早口言葉もアイスブレイクの一つですが、ちょっとした時間でできる小ネタがあるとレッスンが学習者の気分転換になります。

 

1.しりとり
定番ゲームです。しりとりを知らない学習者がいる場合は、最初は「ちびむすドリル」などを使用してみてもいいですね。2.いくつかけるかなこのゲームは、5分など時間を決めて「赤いものを10個」や「果物を10個」書いてもらうゲームです。日本人同士でも年齢関係なく楽しめる定番ゲームです。

いろいろなゲームを知りたい場合は、以下も参考にしてください。

日本語を使ったゲーム・活動まとめ | 日本語NET (nihongokyoshi-net.com)

9.自学自習できる環境を整える

アプリを使おう

最近は、語学を勉強するためのアプリがとてもたくさん開発されています。

単調でつまらなくなりがちの言語学習をアプリを使用してすることで、ゲームをする感覚で、楽しくできます。

日本語学習アプリはたくさんありますが、ここでは、技能実習生向けアプリを2つ厳選して、紹介します。

1.日本語教育アプリ「げんばのにほんご」

8言語に対応しており、令和3年4月現在、本アプリの対象職種は「機械・金属関係職種」及び
「食品製造関係職種」の2職種です。

介護分野など他の職種でも共通する項目は多く、使えるアプリです。

2.6000単語 – 日本語とボキャブラリーを無料で学習(Fun Easy Learn)

このアプリでは、クイズ感覚で約6000語の日本語を覚えることが可能です。この「Fun Easy Learn」シリーズでは、34か国語学ぶことができます。

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まとめ

語学の学習は、その学習言語に触れた頻度が多ければ多いほど上達します。しかし、技能実習生は、仕事を覚えたり、新しい環境にも慣れなければいけません。日本語の学習に費やせる時間が多くはないでしょう。

やみくもに語彙を覚えるのではなく、実際に使われている表現を通じて、語彙を学んでいくことが、会話力のUPには効率がよいでしょう。

学習者の努力はもちろんのことですが、学習者にとってなるべく負担の少ない方法はなにか?を教える側も考えていく必要があります。

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